皆さま、今日もお元気ですか?
Yukoです。
20世紀に入って、人類は石油からさまざまなものを作る技術を手に入れました。
合成繊維、合成樹脂、合成ゴム、合成洗剤、化粧品、塗料、接着剤、農薬、肥料、医薬品、新建材、食品添加物などの、合成化学物質を作ることが可能となったのです。。
しかし、石油から製品をつくり、それを廃棄するまでのすべての段階で、すなわち石油を使うという行為そのものが有害物質を排出し続けてしまいます。
そうして、生活が格段に便利になったのと引き換えに、私たちは健康被害に悩まされることとなるのです。
1950〜60年代以降、世界中で公害が発生し、今なお多くの健康被害を生み出しています。
そんな中、1962年にレイチェル・カーソンの『沈黙の春』が出版されます。
しかし、その警告にもかかわらず、私たちは便利になった生活を見直すこともできず、突き進み続けています。
日本でも、水俣病(水銀)、四日市ぜんそく、イタイイタイ病(カドミウム)などの公害が起きてしまいました。
そして、今はアレルギーやがんが増え続けています。
このような状況の中で、私たちは何に氣をつけ、何を手放し、どういった生活を送ればよいのでしょうか?
良しとする世界観は人それぞれです。
だからこそ、皆がそれぞれで考え、実践していくことが大切だと思っています。
今日は「経皮毒ハンドブック」(稲津教久著)からいろいろと引用させていただきました。
化学物質の毒性
合成化学物質の毒性として、急性毒性、慢性毒性の他に、ごく微量にもかかわらず環境ホルモンとして作用する毒性、長期間潜伏してから作用する遅延毒性、放射性物質のように染色体に作用する遺伝毒性などがあります。
あるひとつの合成化学物質に対して、すべての毒性がないかどうかの確認は難しく、人体にどのような影響を及ぼすのかほとんど解明されていないのが現状です。
では天然由来の成分なら大丈夫なのかというと、そうではありません。
毒を持つ動物や植物は、身近にいくらでもあります。
春の野草として、セリと間違ってドクゼリを、ヨモギと間違ってトリカブトを食べてしまっては大変です。
毒のある木、で思い出したシキミはお寺に、キョウチクトウは公園や街路樹、学校の校庭にも植えられていますから注意が必要です。
シキミで検索してみてください。
シキミの実が八角(スターアニス)と似ているため、日本産スターアニスとして輸出し死亡事故も起きた、という話が載っていてびっくりです。
しっかりと見極める眼をもたないと、おちおち買い物もしていられません。
合成化学物質と天然の物質との違いは、天然のものの毒性は今までの長い歴史の中で証明されてきていることです。
ですから、今までの歴史の中で安全だと証明されてきたものを食べたり使ったりすることが大切なこととなります。
合成のものであれ、天然のものであれ、安いもの、見たことのないもの、聞いたことのないものは要注意です。
化学物質が人体に侵入する経路
化学物質が人体に侵入する経路として
①経口吸収
②経氣道吸収
③経皮吸収 の3つがあります。
①経口吸収とは、字の通り口から食べ物や飲み物を取り入れることです。
小腸から吸収された物質は、まず肝臓に運ばれ解毒されます。
これによって、80〜90%の化学物質が無毒化されるといわれています。
②経氣道吸収とは、鼻や喉の氣道粘膜や肺から吸収されることです。
経氣道吸収された物質は肺から心臓に入ったあと、肝臓を経由せずに全身に巡っていくため、肝臓による解毒作用の効果はほとんど期待できません。
大気汚染は避けることができませんが、室内に漂う合成成分は避けることができます。
合成香料をスプレーする、殺虫剤を使う、虫よけを使う、というような行為を避けるだけで、室内環境は随分違ってきます。
③経皮吸収とは、皮膚から化学物質を吸収することです。
皮膚から吸収された物質は、経氣道吸収と同じように、肝臓による解毒作用を受けずに全身をめぐることになります。
経皮吸収された有害物質は、身体中を巡り蓄積されていきます。
合成化学物質に囲まれて暮らしている今、日々経皮毒という危険ににさらされ続け、吸収し続けているということを忘れないでいなければなりません。
経皮吸収の仕組み
皮膚には角質層というバリア機能があります。
そのバリア機能が壊れると、有害物質が皮膚の中に侵入してしまうことになります。
そのバリアを壊すものが、合成界面活性剤や乳化剤と呼ばれるものです。
傷ついた皮膚は吸収率が高い
新生児や乳幼児、そして高齢者は吸収率が高い
皮膚温度が高ければ吸収率が高くなる
ということを頭に入れておいてください。
入浴タイムは”経皮毒タイム” と著者は書いておられます。
シャンプーだけでなくリンスも界面活性剤ですし、入浴剤も要注意です。
そしてほとんどの基礎化粧品にも界面活性剤が含まれています。
バリア機能をどんどん破壊し、化学物質をどんどん吸収してしまっていることに気づかなければなりません。
上の左側の写真のように、吸収率は体の部位によって違ってきます。
皮膚の分厚いところはバリア機能が強く、薄いところは弱くなります。
写真を大きくしてもらえると見えると思うのですが、性器は腕の内側の42倍という高い値となっていますから、特に注意していただきたい部位です。
また、口の中や肛門の粘膜には角質層がなく、バリアー機能が全く働かないことをご存知でしたでしょうか?
口の中に入れる歯磨き粉やマウスウォッシュにも最大限の注意を払っていただきたいのはそのためです。
便利に、快適にという欲望とともに発達してきた科学技術。
それはとどまるところを知らず、もう私の理解の範疇はとっくに超えています笑。
私たちが大昔からすりこ木ですりつぶして粉にして使ってきた物質でも、現代の技術をもってしてナノ化して使うことにより、有害物質と化してしまうものもあります。
たとえバリア機能がしっかりしていたとしても目に見えないほど細かいもの、ナノ化された物質は皮膚の中へ入ってしまうというのです。
科学技術の進歩とともに、私たちの健康を脅かすモノが作られ続けていることを忘れてはなりません。
環境汚染を考える
川や海を汚す一番の元凶は工場排水ではなく、家庭排水です。
洗剤やシャンプー・リンスが流れ込み、またゴミとして捨てられたプラスチックから有害物質が溶け出し、海へと流れ込みます。
化学肥料や農薬、殺虫剤なども土壌や水を汚染していきます。
そして、それらは巡り巡って人間を、その中でも一番弱い胎児や子どもたちを直撃するのです。
紙おむつは経皮毒の危険性があるだけでなく、ゴミとして出されたあとも毒性を持ち続けます。
石油由来の高分子吸収材は生分解されないため、焼却処分されていますが、ダイオキシンが発生する可能性があるといいます。
プラスチック製品による環境汚染については、以前のブログを読んでみてください。
継世代毒性
継世代毒性というのは、読んで字のごとく、世代を超えて受け継がれていく毒性のことです。
恐ろしいのは、胎盤がほとんどの化学物質を通過させてしまう、ということです。
化学物質が胎盤を通過するだけでなく、そのときお腹の中にいる胎児は母親以上に化学物質の影響を受けてしまう、ということが実証されています。
こうした継世代毒性があるということ、母親から子へ、子から孫へと何世代にもわたって受け継がれていくということに、私たちは危機感をもたなければなりません。
特にこれから子どもを生み育てていく世代の若者たちには気付いてほしい、自分自身のためにも自分の子どもたちのためにも有害物質を避ける、ということを真剣に考えてほしい、と思っています。
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