「ゆっくり動くと人生がすべてうまくいく」①ストレスと自律神経と深呼吸とゆっくりの絶妙な関係

2021 1/03

皆さま、今日もお元気ですか?
Yukoです。

「ゆっくり動くと人生がすべてうまくいく」(小林弘幸著)の結論はこれ↓です。

今、私が医師として、「一瞬で人生を変える鍵は何ですか?」と訊かれたら、それはずばり「ゆっくり」だとお答えします。(以下、今日の引用はすべて「ゆっくり動くと人生がすべてうまくいく」小林弘幸著よりとなります)

これだけではよくわからないですが笑、興味津々ですよね?
ですから今日は、この本からの引用を交えながら、読んだ後は「ゆっくり動こう!」と思うと同時に、実践にまでつなげていただけるように書いていければと思っています!

自律神経の話

自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスが取れていることが大事、という話はよく聞きます。
交感神経は身体を戦闘態勢に、副交感神経は身体をリラックスモードに変えてくれます。
しかし、現代の生活は交感神経ばかりを刺激する要素が強く、交感神経優位に傾き、それが健康を害する元となってしまっている、大まかに言うとそういう話です。

交感神経優位になると、血液の流れ(血流)が悪くなり、免疫力も体力も低下し、さまざまな病氣にかかりやすい状態になってしまいます。もっとショッキングな言葉を使えば、血液がドロドロになり、臓器の働きも悪くなり、いわゆる成人病や生活習慣病をどんどん招いてしまうということなのです。

ストレスを感じると交感神経が刺激され、自律神経が乱れます。
その後、本来ならば副交感神経の働きが高まり、バランスをとるように調整されるのですが、私たちは連続するストレスに晒され続けています。

情報があふれかえり、要求することも要求されることも目白押しで次々やってくるし、世の中の動きは早すぎて未来を予測することも難しくなっています。
この世の中で、ストレスを感じるな、という方が無理なのです。

私たちは、世の中に向かって、人に向かって、自分自身に向かってまでも、「もっと早く、もっと正確に、もっと効率よく・・・」と要求し続けています。
そして、”一寸先は闇”状態。

今の世の中や私たちの在り方自体が自律神経を乱していることに氣付き、自分自身のあるべき姿を振り返ってみる必要があると思っています。


その上、著者によると副交感神経の働きは、男性で30歳、女性で40歳をめどにガクンと下がってしまうというのですから、びっくりを通り越して、「えっ?、そんな・・・、どうすればいいの?」とお手上げ状態になってしまいませんか?

若い頃は新しい変化にすばやく順応できたけれども、年をとるほど新しいものに出会ったり環境を変化させたりするのが、どんどんおっくうになるー。
これも、じつは副交感神経の働きが下がったことの影響です。

しかし、そうとわかれば、歳を取るごとに副交感神経を活発にしていけばよいだけです。
男性は30歳から要注意ですから、身体の元氣さと副交感神経の衰えのアンバランスがとても大きくなると思います。
しっかり認識して副交感神経を高める生活を意識して行っていく必要があると思っています。
特に男性の方は氣をつけてくださいね!


また、交感神経が優位のままで、副交感神経のリカバリーが遅れると、

血管が収縮し、血流が悪くなり、筋肉に血液が行かなくなるので、疲れやすくなる。脳の血流も悪くなるので、決断力や判断力も鈍くなる。それで、新しい変化に向かうのがめんどくさく感じたり、何かあると「疲れた」が口癖になったりしてしまうのです。

となってしまいます。

心地よい疲れと疲れのあとの開放感を感じているのではなく、「疲れた・・・・・」と思っていらっしゃる方は、副交感神経をとにかくあげていく必要がありますから、ここで読むのをやめずに最後まで読み続けてくださいね!笑

まずはここまで、”なるほど、納得!”と頭で理解していただけましたでしょうか?

自律神経と呼吸

緊張(交感神経優位)をほぐすために意識的に深呼吸をすることがあると思います。
リラックスするには深呼吸!、というのは一種当たり前のこととなっています。
しかし、知っているからと言って実践できているわけではなく、知っているだけで活用しないでいることはもったいないです。

浅く早い呼吸は、交感神経の働きを高めます。すると、瞬間的なやる氣やアグレッシブな氣分は高まりますが、それが長く続くと、血管が収縮し、血流が悪くなり、結果、心も体もいいパフォーマンスができにくくなります。
逆に、ゆっくり深い呼吸は、副交感神経の働きを高めてくれます。すると、それまで収縮していた血管がゆるみ、質のいい血液が、体のすみずみまで流れるようになります。心も体もいきいきとよみがえり、継続的に自分のパフォーマンスもよくすることができます。

緊張はパフォーマンスを上げるのに貢献するのですが、持続する緊張は悪影響を及ぼしてしまいます。
ゆっくり深い呼吸によって緊張を和らげ、副交感神経の回復を促していくことが大切になってくるのです。

ゆっくり深い呼吸を導き出すのが「ゆっくり動く」こと

日常的にゆっくり深い呼吸であることを目指すのですが、呼吸を深く整えようとすることはなかなか難しいです。
呼吸を深くしなきゃ、と思うと、それ自体がストレスになってしまうこともあります。

そこで著者がお勧めするのが「ゆっくり動く」ということなのです。

さまざまな動作を「ゆっくり」行うようにするだけで、「呼吸」が自然とゆっくり深いものに変わる、というのですからやらない手はありません笑。

ゆっくり動く

勝手に呼吸が深くなる

副交感神経の働きが高まり、自律神経が整う

血流がよくなり、身体のすみずみにまで質の良い血液が流れる

今日も元氣、明日も元氣、の幸せな循環の流れに乗ることができる!

なんだかこれならできそうな、そして健康になれそうな氣がしてきませんか?!

ゆっくりの効果

①肩こり、偏頭痛、便秘の解消

肩こり、片頭痛は血液が滞っているために起こることがほとんどです。
ゆっくり動いて血流が良くなると、肩こりや片頭痛は解消してしまうことが多いのです。
また、消化器官は副交感神経のもとで働いています。
ですから副交感神経の働きを上げると、腸の動きも良くなり、便秘も解消されるというわけです。
ストレスで便秘になるのは副交感神経の働きが弱まっているためです。

②人生のパフォーマンスが向上し、いつも「最高の自分」でいられる

ゆっくりの効果は健康増進にとどまらず、人生のパフォーマンスも上げていきます。
ゆっくり動けていると自律神経が整い、血液の流れが良くなり、五感が冴えます。
そうなると、パフォーマンスが上がらないわけないのです。
スランプに陥りそうになった時は、いち早くそれに気づき対処することによって、バランスを崩さずにすみます。
自分の状態を把握し、自律神経のバランスを整えるために「ゆっくり」をキープすることによって、最高の自分で居続けられるのです。

③ゆっくりによって自分の自律神経が整うと、周りにも伝染し、自分も周りも幸せになる

ピリピリイライラした人がひとりでもいると、その場全体の雰囲気が悪くなってしまうことがあるのと同様に、自律神経の整った人が一人いるだけで、その場の全員の自律神経が整ってくる、ということもあり得るそうです。

著者は野球でリリーフピッチャーが登場したときのことを例に出しています。
リリーフピッチャーがどっしりと落ち着いた様子で登場するだけで、それまで浮足立っていたチーム全体に落ち着きが戻る、といった雰囲気は、確かに見ているだけで感じることができます。

とてつもなく悪いことが起きたときでも、一人落ち着いて”大丈夫”といえる人がいるだけで、その場の雰囲気と状況までもがガラッと変わってしまうこともあります。
自律神経の整った人から、「大丈夫」と笑顔でいわれただけで落ち着くことができるのです。

一番伝染しやすいのが、母親から子どもへ、です。
母親がイライラしていると子どももイライラし、母親の自律神経が整っていると子どもの自律神経も整います。
母というものはとても偉大な存在であるがゆえに、自律神経が整った状態でいることが大切なのです。

困難な状況であればあるほど、自分自身の自律神経を整え、笑顔でいられることが、周りの人のためにも重要なこととなるのです。

④自分のペースを維持できる

上司の言うままに、上司のペースで動いている人の動きは、一見、ものすごく働いているようだけれど、バタバタしています。だから、無駄やミスも多いし、その人自身も非常に疲れを感じています。
一方、同じように上司からお小言をいわれながら忙しく働いていても、どこかで「ゆっくり」を意識し、自分のペース=自律神経の安定を意識している人は、良く見ると、動き方が違います。一見、ゆっくり遅いようだけれど、着実に仕事をこなしているのです。周りの動きもよく見えていますから、人のペースを見て、先手を打つこともできます。ですから、無駄もミスも少なく、疲労度も軽くてすむのです。
このように、同じ仕事をしていても、意識の持ち方ひとつで雲泥の差が出てきます。
ですから、とくに若い人たちにはぜひ、自分のペースを組織の中でいかにつくり出すか、ということを意識していただければと思うのです。

人のペースに巻き込まれてしまうと、やたらと疲れてしまう、と感じることはありませんか?
自分のペースでいられることはとても大切なことです。
ゆっくりで自分のペースを取り戻し、できるだけ持続できるといいですね。

⑤焦りや緊張を解く

焦ったときや緊張した時の合言葉も「ゆっくり」です。
これに関しての詳細は次回に書かせていただくこととして、焦りや緊張を感じたときすぐにしていただきたい、効果てきめんな方法が紹介されていました。

焦りや緊張を感じたまさにその瞬間の著者のオススメは「手を開く」ことだそうです。
こちらの記事にも少し書いたことがあるのですが、「手を開く」ことは、こんなことにも応用できるようです。

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手を開くことによって、身体全体を有効に使えるようになるのだと私は思っています。
パニックになりそうなときにも効くそうですから、ぜひ覚えておいてください。

何かをがんばろうと自分で自分に活を入れたいとき、私たちはついぎゅっと拳を握りがちです。
でも、いわゆる上がり症の人で、極度の緊張を解きほぐしたいと思われるなら、拳を握るのはおすすめできません。なぜなら、拳を握る、とくに親指に力を入れるとますます体を緊張状態にしてしまうからです。

空手の達人は、決して拳を固く握らず、中国武術でも、拳を握るときは、必ず親指を外にして握り、ゴルフのクラブは親指で強く握るのはタブーとされているそうです。

グーではなく、パーです。
お間違いなく!

⑥ネガティブな感情を洗い流す

イライラしやすい方、嫉妬しやすい方は、一度、「どういうときに自分がそういう感情を持ちやすいか?」ということを分析してみるのも、おすすめです。
なぜなら、きちんと分析しておけば、そういう状況になる前に、それを極力避けることができるようになりますし、もしも避けられなくても、「あ、来たな!」と、すぐに深呼吸ができるようになるからです。
原因を知ることで、よりよい対処ができる。これは、危機管理の極意でもあります。しかも、しっかりした危機管理は心の余裕を生みますから、じつはこれも日常の中に「ゆっくり」の場面を広げていく秘訣のひとつなのです。

ネガティブな感情が浮かんでこない人は、仙人くらいです。
私たちには、ネガティブ感情対策は欠かせません。
ストレス対策の「コーピング」のところで書いたことがありますが、ストレスやネガティブな感情を解消するための方法をいくつか考えておくだけで、交感神経優位にならなくてすむ場面も多くなってくるはずです。

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ゆっくりと動く、というゆとりを持つことによって、自分自身の心の変化にも敏感に対処できるようになり、ネガティブな感情も洗い流せるようになるのです。



ゆっくりを生活に取り入れる方法は、次回に続きます。

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