世界に広がる「もったいない」〜フードロスを減らすヨーロッパのこころみ

2021 3/03

こんにちは。年が明けたと思ったら、もう3月です。時間が流れていくのが早すぎて、驚くばかりですが、春が近づいてくるのは、やっぱり嬉しいですね。本日は、フードロスについて、お伝えしたいと思っています。どうやら、日本語の「もったいない」は、世界でも通じる言葉になりつつあるようです。

目次

食品廃棄量は生産量の約3割?

世界で生産される食料は、約40億トン。
これだけあれば、世界中の人たちに十分な食べ物が行き渡ると言われています。
ところが、そのうちの約3割の13億トンが「食品廃棄物」として処分されているのが現状です。

少しややこしくなるのですが、この食品廃棄物の中には、

・可食部
・非可食部

両方が含まれています。
魚の骨や野菜の皮は非可食部に当たるようですが、魚の骨も骨によっては食べられそうですし、
野菜の皮もむかずに食べることもありますよね。
なんとなく曖昧な部分が残りますが、食品廃棄物は、食べられずに残された食べ物すべてを指します。

フードロスは食品廃棄物の可食部に含まれ、まだ食べられるのに、賞味期限が切れたり、
注文したけれど食べきれずに廃棄されたりしている食べ物です。

日本の食品ロスは、約610万トン

「もったいない」が生まれ育った日本はどうかと言うと、数年前の食品廃棄量は約2550万トン。
フードロスとして処分された量は、この内の約610万トンです。
捨てられた食べ物のうち、約4割が本当は食べられるのに、処分されたことになります。
また、この内の約半数にあたる約300万トンは、家庭から出たフードロスと言われています。

300万トンと聞いても、多いことはわかっても、なかなかピンとこないかと思います。
2015年に行われた、食料援助料が約320万トンでしたので、どれだけ多くの「食べられる食べ物」が
家庭から捨てられているかがわかります。

フードロスの中には、農協などが求める規格に合わなかったために、
出荷できなかった野菜などは含まれません。
実際には、食べられるのに食べられないで捨てられている食べ物は、
300万トンよりもはるかに多くなります。

フランスの「フードロス」を生まない仕組み

日々の生産や暮らしの中で、食品廃棄やフードロスが発生しているのは、日本だけが直面している状況ではありません。
他の国がどんなアイデアや政策で、食べられる食べ物を食べる工夫をしているのか、見てみましょう。

ヨーロッパは、環境問題などへの関心や取り組みが、他の国々と比較すると、進んでいる面が多々あります。
フードロス問題への取り組みがいくつも実施され、すでに定着しているものもあります。
中でも、フランスは法律が整備され、売れ残った商品の廃棄が禁止されています。

そのため、店頭で売れ残った食べ物は、フードバンクなどの機関に寄付され、商品の状況によっては、
家畜の飼料として利用される仕組みができあがっています。

イタリアには、食べ物が余ってしまった人と食べ物に困っている人をつなぐ「連帯冷蔵庫」が設置されています。

また、デンマークから始まった「TOO GOOD TO GO」というサービスが注目を集め、ヨーロッパを中心に
13カ国で展開されています。
フードロス問題を抱えているレストランや小売店と消費者を結びつけるアプリを開発し、
オランダでの登録者数は100万人を越え、またたく間にオランダ中に広がりました。
商品によっては短時間で「完売」することもあるほどです。

アプリをダウンロードしておくと、まだ食べられる食品が格安で購入できる情報がひと目でわかるようになっています。
例えば、「マジックボックス」と呼ばれるフードロス商品を注文すると、通常の約半額でそのお店の食材が購入できます。
このマジックボックスは、開けてみるまでなにが入っているかわからないのですが、
この辺もオランダの人たちの遊び心を魅了しているようです。

世界には、「捨てていい食べ物はひとつもない」という思いから、
フードロス問題に向き合い地域や社会で、活躍している人がたくさんいます。

次回の記事では、「もったいない」という思いが受け継がれてきた日本での取り組み、そして
フードロス問題に意識をむけていくと、地球環境への負荷も減らせるお話を紹介したいと思っています。

まもなく、3月。
季節がまた、めぐります。
今日も、読んでくださり、ありがとうございます。

風の舞でした。

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