何を選びますか?⑩ストレスフルな自分をマネージメントする!

2020 12/07

皆さま、今日もお元気ですか?
Yukoです。

前回は、ストレスはある意味避けようのないものであることを見てきました。
では、そのストレスとどのように付き合っていけばよいのでしょうか?

ストレス対処法「運動」

運動は自律神経が興奮するのを阻止します。ストレス反応の暴走を抑え、心臓、脳、肝臓などの臓器を守ることにつながるのです。しかも、こうした運動トレーニングでマイナスな結果になった例はありません。自律神経の興奮を抑える効果は、高齢者や何らかの病氣を患っている人ほど高いといえます。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

運動によって脳の延髄に変化が起きます。

延髄は恐怖や不安を感じる扁桃体から脊髄へとつながる経路の、いちばん脊髄に近い位置にある。扁桃体の情報を自律神経へ伝える重要な役割を担うとともに、自律神経自体の制御にも関わっている。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

延髄の神経細胞の突起が減ることによって、扁桃体から受け取る情報が減り、自律神経に伝えられる情報が適正な量に抑えられるというのです。

神経細胞の突起なんて、多ければ多いほど良いのではないの?、と欲張りな私は考えてしまいますが、何事にも適正な量というものがあり、多くても少なくても問題が起こるということなのでしょう。

人間は、欲張りすぎてはいけません。

前回の記事の「慢性的なストレスが骨髄の免疫細胞をつくり出す働きを活性化させ、全身に炎症を引き起こす」という文章も、読んでいて不思議な感覚になりませんでしたか?
免疫細胞なんて多ければ多いほど良い典型的な例・・・、だと思いがちですが、そうではないのです。

お金も多ければ多いほど良い、こともなく、力も強ければ強いほど良い、わけではなく、背も高ければ高いほど良い、なんてこともないのです笑。

話がそれてしまいましたが、

重要なのは、運動によって神経細胞が変化する、つまり『脳(神経細胞)自体』が変化するのが分かったことです。変化を持続するためには、定期的に運動をすることが重要です。運動しなくなると、すぐ元に戻ってしまいます。いま運動していないという人は、ぜひ、運動を始めてください。必ず効果があります。」

私はこれまで、認知症の予防や対策の取材をしてきたが、ウォーキングなどの軽い運動を行うだけで、脳の記憶を司る海馬が大きくなることも判明している。たとえ高齢者でも、運動によって脳は変わっていくのだ。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

運動は心身ともに適正な状態に戻してくれるスグレモノなのです。
運動といっても、息が少し上がる程度の速さの早足の有酸素運動を週3回、30分程度くらいで良いそうです。

身体を動かすことは本当に大切です。
今は、病院では手術後すぐに身体を動かすよう指導されます。
絶対安静が最善の治療と思われてきた心臓発作に対しても、歩く心臓リハビリを行ったほうがその後の生存率も高まる結果がでているそうです。

単に歩くだけ、の効果は馬鹿にはできないのです。
逆に、歩くことも少なくなった現代人はストレスにも打ち勝てなくなってきている、といえるのではないでしょうか。

ストレス対処法「コーピング」

コーピングとはストレス対処法のことで、英語のcope(対処する)からきています。

①ストレスがかかったときにする、自分なりの「気晴らし」を100個リストアップします。
②ストレスがかかるたびに、そのストレスに見合った気晴らしをリストから選んで実行することで、ストレスに支配されることを止めます。1つでだめなら2つ、3つと試してみます。
③ストレス対策の効果を数値化して(10点満点中何点の効果があったか)客観的に把握します。

ストレスを感じるたびに③の数値化までしっかり行うことが大切で、そうすることによって脳の前頭葉が活性化されます。
前頭葉(認知や理性を司り、思考や行動の決定に重要な役割を果たしている)が活発に働き始めると、不安や恐怖やストレスを感じて反応する扁桃体の働きを抑えられることが分かってきたのです。

「扁桃体と前頭葉は、いわば車のアクセルとブレーキみたいなものです。扁桃体はアクセルです。アクセルを踏みすぎてストレス反応が暴走を始めると、『そんなに大きく反応しなくてもいいよ』と前頭葉がブレーキをかけるのです。」
自分のストレスを客観的に認知しながら、対処を繰り返す。こんなシンプルなストレス対策によって、私たちは脳の機能まで変化させ、効果的にストレスに対処できるようになることが明らかになったのだ。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

以下、気晴らしの例です。

「キラーストレス 心と体をどう守るか」より

実際の行動を伴う具体的なものでなくても、50〜52のような妄想(空想)でも良くて、重要なことは、気軽に実行、継続できること、です。
オススメは、妄想、香りをかぐこと、身体を動かすこと、自然の中へ行くことなどです。
コーピングはストレスを感じたとき、すぐに行うことが重要です。

子どもや犬のしつけを、何かしでかしたその瞬間にせず、時間が経ってから教え込んでも効果がないのと一緒です。
ん???、何したっけ???、何のこと???と子どもも犬も、そして脳も首をかしげるばかりです笑。

後回しにせずすぐできる対処法を考えておくことが重要ですから、リストは簡単であること、いつでもできそうなこと、を基準に作ってください。

また、こまめに対処することも大切です。
些細なストレスでも、ストレスを感じるたびにこまめに対処していくことによって、自分の心や身体を守ることができるのです。

ストレス対処法「マインドフルネス」

マインドフルネスという言葉をよく聞くようになりました。
私は、瞑想?のことかな?、位に思っていたのですが、わかりやすい例えが載っていました。

「〇〇に氣をつけてね」と英語で言うときに、”Be mindful”という表現がある。こんな言葉をかけられる人は、例えば、ボーッとしながら道を歩いている私のような人だ。そういう人が、”Be mindful”と声をかけられると、「はっ」と我に返り、目の前で起きつつある危険の存在に氣づかされる。この「はっと我に返った状態」「今の現実に注意が向いた状態」こそが、マインドフルな状態、すなわちマインドフルネスだ。」(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

「今の瞬間」の現実に常に氣づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方ーがマインドフルネスということだそうです。

「瞑想」という言葉から、どうしても呼吸や意識への「集中」をイメージしてしまうが、それは正しくない。マインドフルネスが目指すのは、集中ではなく、今の瞬間に「氣づき」が向かう状態である。そのためには、現実をあるがままに知覚することが大切なのだ。

「例えば、禅寺の枯山水庭園や、茶道の茶室をイメージしてみてください。そうした場所では、空間全体を捉える心の持ち方が大切になります。同じように、茶道や武道でも基本的にはマインドフルネスの心の使い方をしていると考えられます。私たちの身近なところで培われた思想や文化に、マインドフルネスは息づいているのです。」(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

簡単にマインドフルネスの仕方を引用させていただきます。

①背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線が真っ直ぐになるように座る
②呼吸をあるがままに感じる
(心のなかで、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」などと実況してみる)
③わいてくる雑念や感情にとらわれない
(「雑念、雑念」「怒り、怒り」などと心のなかでつぶやき、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻す)
④体全体で呼吸する
(注意のフォーカスを広げていく)
⑤体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
(自分の周りの空間の隅々に氣を配る)
(雑念が出てきても、そのあたりに漂わせておいて、「戻ります」とはせず、消えていくのを見届ける)
⑥瞑想を終了する

マインドフルネスと脳

マインドフルネスを行うと、脳や身体にどのような変化が現れるのでしょうか?

・ストレスで萎縮してしまう海馬が回復する可能性
・ストレスに反応する一番最初の器官である扁桃体の一部が減少し、ストレスへの過敏な反応を抑えられる可能性
・慢性炎症に関わる遺伝子「RIPK2」の働きを低下させ、身体の不調を抑える役割を果たしている可能性
・ストレスホルモンのコルチゾールの値が早く正常に回復する可能性
・思考や認知に関わる重要な脳の前頭葉の「dlPFC」(大脳の司令塔とも呼ばれる)の働きが大きく向上する可能性

このような可能性が見えてきたというのです。

最後の「dlPFC」に関して、補足しておきます。
マインドフルネスを行うことによって、大脳の司令塔とも呼ばれている前頭葉の「dlPFC」が、脳内の複数の部位を結んだ連合体である「デフォルトモードネットワーク」もきちんと支配下に置くことができるようになります。
デフォルトモードネットワークは、脳の他の部分が積極的な行動を行っていないときに活発に働くという不思議な働きをしていて、このネットワークが働いているときに過去や未来に意識が向いてしまうマインドワンダリングが起こりやすくなります。

これって凄いことだと思われませんか?
どうしてもさまよい始めてしまう私たちの思考、マインドワンダリングを制御できるかもしれないのです。
もうすでに起こってしまって、考えても仕方のないことをどうしても考えてしまう自分を変えられるかもしれない!
マインドフルネスをしているときだけでなく、「dlPFC」が活性化することによって、いつもいつもフラフラしがちだった心に安定がもたらされる可能性があるというのです!

マインドフルネスと生活習慣

とても魅力的なマインドフルネスだけれども、よくわからない、時間がない、難しい・・・、と躊躇してしまい、一歩踏み出すことがなかなかかもしれません。

しかし、本当はマインドフルネスは簡単なことの積み重ねなのだと思っています。
毎日のルーティーンの中で、これをしている時はマインドフルになろう!と心がけるだけで良いのではないでしょうか。

例えば、お風呂に入っているとき。
例えば、歩いているとき。
例えば、眠りにつこうとお布団に入ったとき。

背筋を伸ばして座っていなくても良いと私は思っています。
この時間はマインドフルネスの時間に当てると決めてしまえば、お風呂に入りながらあれこれ考えごとをすることをやめ、お湯の暖かさを感じ、身体の心地よさを感じることをすれば良いのです。
歩きながら風を感じ、足の裏を感じ、匂いを感じるのです。
横になったとき、一日の出来事を振り返るのではなく、静かな深い呼吸を心がけながらその呼吸にフォーカスしていくのです。

そんなマインドフルネスでも良いのではないか?と私は思っています。
今日から始めるマインドフルネス。
私の一番のオススメは、寝る前マインドフルネスです!
今晩から、マインドフルネスをしながら、安らかに眠りに落ちてくださいね!
眠りの質も変わってきますよ!!

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