何を選びますか?⑨ストレスフルな自分を知る

2020 12/05

皆さま、今日もお元気ですか?
Yukoです。

ケガや感染症を除けば、ほとんどの病気は無理やストレスなど自分の生き方や考え方が限界を超えたときに、「免疫力」を働かせる能力や「生きるために必要なエネルギー」を作り出す能力が低下して起きるわけです。(「やめるだけ健康法」安保徹著より引用)

ストレスはあるけれど体調を崩すほどでなない、と思っていらっしゃいませんか?
しかし、無自覚なうちにストレスは溜まっていきます。
ですから今日は、ストレスの中で生きている!ということを自覚するとともに、現代に生きる私たちが感じているストレスの何が問題なのか?を見ていきたいと思います。

ストレスとは?

ミス、トラブル、病氣、身近な人の死などの悪い変化はもちろん、入学、結婚、成功、旅行などの良いと思われる変化も人にとってストレスとなります。

ストレスとは「変化」に対する反応で、生きている以上ストレスフリーの生活はありえません。
ですから、ストレスとどう向き合っていくか、が非常に大切になってくるのです。

ストレスと自律神経とストレスホルモン「コルチゾール」

私たち人間が不安や恐怖を感じると、まずは扁桃体が興奮を始める。その扁桃体から「不安や恐怖に対処せよ」という指令が、脳の「視床下部」という部分に伝えられる。視床下部は大脳の奥深い場所にある「間脳」と呼ばれる部分にあって、自律神経やホルモンの分泌、情報伝達に関わっている。
指令は次に副腎に届く。すると、副腎はストレスホルモンと呼ばれる物質を分泌し始める。コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモン群だ。
副腎から分泌されたこれらのストレスホルモンは、血流にのって全身を駆け巡る。そうして、体内のさまざまな臓器に指令をつたえるのである。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

扁桃体でストレスを受けとると、まず反応するのが自律神経です。
自律神経の交感神経が優位になり、筋肉を緊張させ、瞳孔を開かせ、血管を締めつけていきます。
次に、自律神経の反応より少し遅れてストレスホルモンが分泌されます。
ストレスホルモンは、血小板同士を結合させ血液を固まりやすくし、肝臓に溜め込まれている糖分を血液中に放出させます。

このように血圧を上げ、全身にエネルギーを供給し、ケガに備えたりすることは、非常事態に対応するための反応なのです。

しかし、我々人間には野生動物と違って命の危険を感じるような非常事態はめったにありません。
私たちのストレスは、精神的な重圧、心への負担によって引き起こされるものがほとんどです。
しかも、昔の非常事態とは違い、継続的で慢性的なストレスが多いことが特徴です。

この慢性的に継続する精神的な重圧や心への負担が、本来は私たちを守るための重要な仕組みであったはずのストレスに対する反応を暴走させてしまうのです。

慢性的なストレスが脳を破壊する

毎日のように過酷な業務が継続したり、過度な緊張が続いたりすると、交感神経の高ぶる時間が長くなり、血管が縮み、血圧は上昇。血流の悪化から血管に老廃物が溜まりやすくなり、血行障害を起こすのです。血管の損傷はあらゆる病気の元凶になり得ます。若い世代の死因となっている、心疾患や脳血管疾患は、まさしく血管の異常が原因です。
また、血行不良は、冷え、肩こり、腰痛の原因にもなりますし、免疫機能にも影響が及び、ウイルスや細菌に感染しやすくなるというリスクも発生します。(「本当に怖いキラーストレス」茅野分著より引用)

ストレスが続くと身体への不調が現れてきます。
夜眠れない、肩がこる、身体が冷える、すぐに風邪を引いてしまう・・・。
そんな自覚症状は要注意です。
そこで対処できると良いのですが、そのままストレスが積み重なっていくと次の段階へ移ってしまいます。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血流にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たす。役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収される。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまう。こうなると、状況が一変する。コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのだ。ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのである。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

絶え間のないストレスが過剰なコルチゾールの分泌を促し、脳を物理的にむしばんでいくなんてゾッとしませんか?
脳の神経細胞、特に海馬がダメージを受けるそうです
海馬は記憶や学習、感情に関わる部分です。
海馬が萎縮するとうつを発症する可能性がでてくるのです。

ストレスを悪化させる仕組み

目の前の現実についてではなく、過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態を「マインド・ワンダリング(心の迷走)」と呼び、いま、世界中で関心が高まっている。
人間は考える動物である。過去から教訓を得て、未来に備えようとすることで大きな進化を遂げてきた。しかし、皮肉なことに人間を人間たらしめているこうした活動こそが、脳をむしばむストレス反応を悪化させているのだ。
さらに、現代社会特有の”あるもの”が、マインド・ワンダリングの危険性をどんどん加速させているという指摘もある。
それは、スマートフォンーである。
人類の進化と文明の発達に伴って、ストレスは日々増え続けている。私たちは、無意識のうちに、膨大かつ継続的なストレスと共に生きており、それが過剰になったとき、脳が”物理的に”破壊されることを肝に銘じなければならないだろう。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

マインド・ワンダリング、してしまいがちですよね。
失敗したことや怒られたことを思い出し再び嫌な気持ちになって寝むれないとか、明日また学校や会社へ行かなければならないと思うとまた氣が重くなってしまうとか。。。
スマートフォンもマインド・ワンダリングを加速させてしまうというのですから、要注意です。

”え?、スマートフォンにストレスなんて感じていないよ”という方も多いかもしれません。
しかし、スマートフォンを楽しんでいる、いないにかかわらず、スマートフォンは扁桃体に刺激を与え続けていることも事実のようです。

都市には信号やネオン、人混み、騒音などが多く、常に多くの刺激を受けて過敏になっている扁桃体は、ちょっとしたことにも大きく反応して、ストレス反応を拡大してしまうのである。
また、住んでいる地域にかかわらず、現代人の必須アイテムである、スマートフォンやパソコンも扁桃体に刺激を与えると考えられている。
現代社会は、扁桃体を常に刺激することによって、ストレスに弱い脳をつくり出しているといえるのです」(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

村に住む人、町に住む人、都市に住む人、の順に扁桃体が反応しやすく過敏である、という研究結果がでているそうです。
扁桃体が過敏であるということは、ストレス反応を起こしやすいということです。

人間の特性であるマインド・ワンダリングだけでなく、現代の生活そのものが扁桃体を刺激し、ストレスに弱い私たちを作り上げているということを、もっと認識する必要があるようです。

ストレスと病氣

心と体は一体。「病は氣から」という言葉が間違いではなかったことが、科学によって次々と証明されているのだ。
心の疲労は体の不調へ、体の疲労は心の不調へと相互に悪影響を与え、それはやがてキラーストレスとなって私たちに襲いかかってくるのである。(「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHKスペシャル取材班著より引用)

ストレスが突然死を引き起こし、脳や心臓、血管のみならず全身の病氣に関係している、といわれると、やはりそうか・・・と実感される方も多いのではないでしょうか?
その実感が伴うほどに、私たちは慢性のストレスに侵されています。

また、ストレスによって免疫細胞ががん細胞を攻撃することをやめてしまったり、慢性的なストレスが骨髄の免疫細胞をつくり出す働きを活性化させ、全身に炎症を引き起こしてしています。
必要以上の免疫細胞が脳で炎症を起こすとうつ病に、臓器で炎症を起こすと糖尿病などを引き起こしてしまう可能性も指摘されています。

現代に生きる私たちは、現代社会に生きているというだけでストレスを受けているということを忘れずにいなければならないと思っています。

次回に続きます。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる