皆さま、今日もお元気ですか?
Yukoです。
私たちは「ストレスになんて負けない」と頑張り続けがちです。
しかし、それによって身も心も滅ぼす最悪の事態となることもあるのです。
いつも頑張れ頑張れと言い続け、言われ続ける私たちですが、頑張らないこと!を考えなければならない状況に陥るほど頑張りすぎているのかもしれません。
あなたは、高給をもらい家を購入し、夫婦円満で可愛い子どもたちに囲まれた、一見「勝ち組」でしょうか?
しかし、本当に大切なことは、根性で頑張り続けることでも、相手を打ち負かすことでもないのかもしれません。
本当の意味での「勝ち組」とは何なのでしょうか?
今日は、ストレスがどのようにして病氣を引き起こすのかを、「本当に怖いキラーストレス」茅野分著からお伝えさせていただきます。
キラーストレスーストレスが人を殺すー
ストレスが自殺を引き起こしています。
日本では、15〜39歳の死因のトップが自殺、というのですから、社会構造の闇を感じずにはいられません。
(G7では日本だけ、だそうです)
また、生活習慣病から心疾患、脳血管障害、がんへとつながっていくこの経路も、元を正せばストレスの蓄積であることが多いと思いますが、それと同等に怖いのが若い年代の「突然死」です。
健康診断で異常の認められなかった人でも、「ストレス」が引き金となり、突然死を起こすことが非常に多いというのです。
ストレスが自律神経に作用し、血管を縮めあげ、心臓や脳に血液が十分に届かず死に至る突然死。
しかし、「過労死やストレスによる死」と扱われるのは至難の業であるどころか、当人でさえストレスが原因だったとは理解していないはずだ、という著者の指摘には驚いてしまいます。
私たちはいつ何時私たち自身に「突然死」が訪れても不思議ではないと認識し、ストレスとどう付き合っていくかを真剣に考えないといけない、ということに気づくべきなのでしょう。
その「キラーストレス」の正体は、「連続した我慢」だといいます。
「まただ」「今日も」「明日も続くのか」という終わらない我慢の連続。
それがたとえ些細なことがら(例えば職場で隣に座る人の香水の匂いやタバコの煙等)であったとしても、ストレスが積み重なり大きく膨れ上がることによって、氣づいたときにはもう手に負えないキラーストレスとなってしまっていることがあるのです。
ストレスと脳
脳は、「脳幹」「大脳辺縁系」「大脳新皮質」の順に進化し、大きくなってきました。
その脳内の神経伝達物質のひとつ、「モノアミン類とアセチルコリン」の中に、ストレスと大きく関わる「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」が含まれています。
そして、いつもと違う刺激(ストレス)が脳に伝わると、これらのバランスが崩れてしまうのです。
セロトニンが減少すると、氣分が落ち込み、不安が強くなり、睡眠障害が起き、仕事が手につかない、などの不調が現れます。
ノルアドレナリンに不具合があれば、物事に対する興味の喪失、自責の念の発生、認知機能の低下などの症状が現れ、日常生活が難しくなってしまうこともあるのです。
ー大脳新皮質ー
私たちが論理的な思考や空想ができるのは、大脳新皮質のおかげです。
その中でも特に「前頭前野」は、五感から集まった情報を整理し、意思決定をして行動に移す司令塔の役割を果たしています。
しかし、突然の危機(例えば前から車が突っ込んできたときなど)が起こった場合、瞬間的に思考回路(前頭前野)がストップし、避けるという行動を起こすことができます。
(よく考えてみると本当に凄い反応です。私たちの身体は「考えることなく」動いてくれるのです。ありがたいですよね。)
一方、そのストレスが長く続く、慢性的であるものであった場合、私たちの身体は不調を訴え始めます。
ストレスの多い毎日を送っていると、年をとった時に認知症になりやすいといわれるのは、このせいかもしれません。
脳が破壊されていく・・・。
氣をつけたいですね。
ー大脳辺縁系ー
大脳辺縁系は、鳥類にも見られるやや古い脳で、動物が本能で行動するときのカギとなる部位で、恐怖や怒り、愛情などの感情を司るため、「感情の脳」とも呼ばれています。
短期記憶を行う海馬もここに含まれます。
その中で、ストレスにもっとも深く関与しているのが「扁桃体」です。
物が飛んできたり等の外的な突然の危機だけでなく、心因的な危機に対しても扁桃体が素早く反応します。
ストレスと闘おうと身体を奮い立たせるのが扁桃体の役割です。
ー脳幹ー
大脳辺縁系の扁桃体で感知したストレスは、脳幹(爬虫類にも存在する原始的な脳で、生命維持を担う)に伝えられます。
①視床下部
視床下部は「自律神経」を通して、全身のコントロールをしています。
扁桃体からの危機情報を受け取った視床下部は、交感神経を働かせ、副腎からノルアドレナリンやアドレナリンを分泌させます。
ノルアドレナリンは、呼吸を早くし、心拍数をあげ、血圧を上昇させ、危機に対応することを助けます。
ケガをしても痛みを感じないのは、アドレナリンの働きです。
交感神経優位になったときの状態がよくわかるように解説してくれているページが有りました。
https://www.sankikai.or.jp/tsurumaki/disease/karada/karada15.html
これを読んでいると、身体ってすごい!、と感心するとともに、日常的にストレスを感じ、この反応がその度に身体に起こっているのかと思うと、やはり少し怖くなってきます。
②脳下垂体
その他にもう一つ、危機に対応するルートがあります。
「内分泌ルート」と呼ばれ、自律神経ルートよりややゆっくり反応します。
脳下垂体が副腎を刺激し、「ストレスホルモン」として有名なコルチゾールを分泌させます。
ストレスと自律神経
自律神経は、呼吸、鼓動、血圧、消化吸収、体温、免疫などに関わり、生命維持のために身体が勝手に活動するためのとても大切な神経です。
しかし、私たちは意識的に自律神経をコントロールすることは、ほぼできません。
自律神経の交感神経と副交感神経はバランスをとって働いており、そのバランスが崩れることによって身体に不具合が起きてくる、ということは常識のように誰でもが知っている情報となってきました。
しかし、その重要性にほんとうの意味で気づいている人は少ないのではないでしょうか?
意識せずとも働いてくれている、ある意味当たり前の存在である自律神経。
そこに目を向けずに過ごしていると、氣がついたときには病氣になってしまっていた、なんてことも起こりうるのですから、きちんと意識して自律神経には感謝していきたいですね。
ストレスとコルチゾール
もう一つの曲者がコルチゾールです。
(コルチゾールを曲者にしてしまっているのは、私たちの意識ですが。。。)
私たちは、コルチゾールの助けを借りなければいけないような、このような生きるか死ぬかの状況に陥ることは、ありがたいことに少なくなりました。
しかし、「連続した我慢」をし続けている私たちは、慢性的なストレスをかかえており、そのストレスがたとえ日々の小さなストレスであっても、私たちの身体は生きるか死ぬかの時と同じ反応を起こし、コルチゾールを分泌してしまうのです。
長期にわたりコルチゾールが分泌されることによって、免疫力や抵抗力、抗炎症力は低下し、血糖値や血圧は上昇し、病気になるリスクが高くなってしまうのです。
このように、ストレスが絶え間なく交感神経を優位にし、ストレスホルモンを分泌させることによって、私たちの身体をむしばむ「キラーストレス」と化してしまうのです。
些細なストレスかもしれません。
本人が気づいていないようなストレスかもしれません。
しかし、ストレスは確実に身体をむしばんでいくということを忘れないでいたいです。
次回は、ストレス対処法を「本当に怖いキラーストレス」茅野分著から考えてみます。
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